昨今、社員の昇給や昇進時にTOEICの点数を求める企業が増えています。
また昇給や昇進だけでなく、TOEICで高得点を取れば取るほど社内での評価も高くなり、海外出張や国際的な部署への異動の機会が与えられるなど、仕事の幅も広がるでしょう。
TOEICは、出題形式を把握して十分に対策をすれば、ある程度のスコアアップが期待できると言われています。
しかし、特にTOEICのリスニングパートで7割から8割の正答率を記録した途端、そこからスコアが伸び悩む人は少なくありません。
そこで、この記事ではTOEICのリスニングで正答率を9割以上にするための秘訣や勉強法についてご紹介します。
- ここ最近、リスニングパートのスコアが伸び悩んでいる
- リスニングパートでハイスコアを取るための勉強法が知りたい
- そもそもリスニングパートの正しい勉強法がわからず困っている
という方は、ぜひ記事の内容を参考にしながら勉強を進めてください。
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TOEICリスニングで9割正答すると獲得点数はどれくらい?
TOEICのスコアは統計的な考え方で算出されます。そのため、1問あたりの配点が決まっているのではなく、試験ごとに配点が変わります。
では、TOEICで9割正答すると獲得点数はどれくらいになるでしょうか。
以下のTOEICの正答数と獲得点数の換算表をご覧ください。
リスニングセクション | |
素点 | 換算点範囲 |
95 〜 100 | 475 〜 495 |
91 〜 95 | 435 〜 495 |
参考スコア範囲換算表を見てわかるように、TOEICのリスニングパートで9割正解すると、435点〜495点のスコアが見込めます。
TOEICリスニングで9割以上正答を目指すために必要なこと5選
私たちは、英語のリスニングをする際に「音声知覚」と「意味理解」という2つのスキルを使っています。
「音声知覚」とは英語の音を聞いて正しい単語やフレーズを認識する能力のことで、「意味理解」とは音で認識した単語やフレーズの意味を理解する能力のことです。
さらに「音声知覚」と「意味理解」のスキルを使用する際、文法知識や単語・フレーズ、音の知識が蓄積された「知識データベース」にアクセスしてリスニングを行います。
リスニング対策をする際は、このリスニングのメカニズムを理解して正しい学習を行うことが必要です。
リスニングのメカニズムを踏まえ、TOEICのリスニングパートで9割以上の正答率を目指すために必要なことを5つご紹介します。
- 豊富な基礎力
- 音を聞き取る力
- 音を意味に変換する力
- 素早い読解力
- 試験問題への慣れ
英語のリスニングに関わるそれぞれの力について、具体的に説明します。
①豊富な基礎力
英語の基礎力は、リスニングのスコアアップにおいて重要なものです。
基礎的な文法や語彙の知識がなければ、英語を聞いても内容の意味を理解することができないからです。
「基本的な文法や語彙の知識が大切なことはわかるけど、どんな勉強をすればいいかわからない」という人も多いのではないでしょうか。
英語の基礎力に自信がない場合は、まずは高校英語のおさらいから始めましょう。
基本的な文法や語彙を勉強する際には、学習した文法や語彙を使って文章を考えたり、オンライン英会話で実際に使ってみたりして、記憶に定着させることを意識しましょう。
②音を聞き取る力
音を聞き取る力は、英語の音を聞いて瞬時に正しい単語やフレーズを認識するスキル、すなわち音声知覚のスキルに繋がっています。
例えば、英語ネイティブが”I’ll be ready to leave in an hour.”と言う時、”in an hour”の部分は音の変化が起こるため「イン・アン・アワー」ではなく「イナナワー」のように聞こえます。
この音の変化を聞き取ることができなければ、内容を正しく理解できません。
TOEICのリスニングパートで9割以上を取るためには、音声知覚のスキルは欠かせません。
③音を意味に変換する力
リスニングには、音を意味に変換する力、すなわち意味理解の知識も必要です。
先程ご紹介した”I’ll be ready to leave in an hour.”の例を使って、意味理解のスキルについて考えてみましょう。
”I’ll be ready to leave in an hour.”と聞いた時、「相手が”in an hour”と言っている」と認識する力が音声知覚です。その後、「”in an hour”が1時間後という意味である」と認識する力が意味理解にあたります。
音声知覚の力が備わっていても、”in an hour”の意味がわからないと、会話の内容が理解できません。
リスニング力を上げるためには、音を意味に変換する力の向上が必要です。
④素早い読解力
リスニングパートで9割以上の正答率を目指すためには、素早い読解力も必要です。
TOEICのリスニングパートでは、各問題の音声が流れた後に次々に設問が読まれ、解答のために用意されている時間は1問につきわずか5秒しかありません。
そのため、できるだけ設問を先読みして解答に費やす時間を増やすなど、問題の解き方を工夫する必要があります。
そこで必要になるのが、読解力です。
リスニングパートの設問を素早く理解し処理する力を身につけましょう。
⑤試験問題への慣れ
TOEICのリスニングパートで高得点を得るためには、試験問題に慣れることも重要です。
まずは、TOEICのリスニングパートにはどのような問題が出題され、どのような設問が用意されているのかを把握しましょう。
TOEICのリスニングでは、
”What does the man offer to do?”
”Where do the speakers work?”
”What does the woman imply about 〜?”など、よく使用される設問があります。
そのような設問があるとあらかじめわかった上で試験を受けると、内容もスムーズに聞き取りやすくなります。
試験問題に慣れるには、公式問題集などの参考書を使って出題形式と同じ形式の問題を何度も解きましょう。
リスニングパートで9割以上正答を目指す際の勉強法4選
ここまでTOEICのリスニングパートで9割以上正答するために必要なことについて解説しましたが、ここからは具体的な勉強法をご紹介します。
TOEICのリスニングパートで9割以上の正答率を取るためには、
- 単語・文法のインプット
- シャドーイングをする
- 速読をする
- 過去問を解く
という4つの勉強法を試してください。
①単語・文法のインプット
まずは、単語と文法のインプット学習を行いましょう。
具体的には、文法は高校で習う文法事項をおさらいして、単語はTOEIC990点までカバーできる教材を使用して徹底的に暗記するのがおすすめです。
リスニングで使用される単語は、リーディングで使用されるものと比べてやや難易度は低いですが、高得点を狙うのであれば難易度の高い単語も網羅して覚える必要があります。
中学校や高校で習うような基礎的な単語だけではなく、できればTOEICの試験に特化した単語帳を使って暗記学習をしましょう。
とは言っても、暗記学習には苦手意識を持つ人も多いです。
そのような人は、英単語の覚え方のコツを掲載したこちらの記事も学習の参考にしてください。
②シャドーイングをする
シャドーイングは通訳トレーニングの1つとして知られていますが、TOEICのリスニングパートのスコアアップにも効果的な勉強法です。
シャドーイングを繰り返し行い音声知覚のスキルを鍛えることで、楽に音声を聞き取れるようになるため、スコアアップが期待できるのです。
シャドーイングを効果的に行うためには、正しい手順を理解して取り組む必要があります。
シャドーイングの正しい手順
- 音声を聞いてどのくらい聞き取ることができるか確認する
- スクリプトを用いて発音や文章全体の意味を確認する
- スクリプトを見ながら音読する(オーバーラッピング)
- スクリプトを見ずに小声で音源を追いかける(マンブリング)
- スクリプトを見ずに、聞こえた音声を反復する(シャドーイング)
なお、シャドーイングについての詳しい解説についてはこちらの記事をご参照ください。
③速読をする
リスニングパートのスコアアップには、速読の練習も効果的です。
「リスニングのスキルを向上させたいのに、なぜ速読をするのか」と疑問に思う人もいるでしょう。
速読とは英語の文章を速く読むトレーニングで、主にリーディングのスキルアップのための勉強法として認識されています。
しかし、速読はリーディングの意味理解力向上のみならず、実はリスニングの意味理解力の向上にも最適な勉強法なのです。
速読トレーニングをするには、まず以下の事前準備を行いましょう。
- 現在の自分のWPM(1分間で読める単語数)を算出する
- 目標のWPMを決める
英語ネイティブの平均WPMは200〜250です。
日本人の平均WPMは80〜100と言われているため、まずはリーディングが不自由なく行える120〜150ぐらいを目標にするのがおすすめです。
事前準備が終わったら、実際に速読に挑戦してみましょう。
速読トレーニングの正しいやり方
- 英語の文章を用意する
- タイマーで時間を測りながら黙読を行う
- 黙読が終わったらWPMを算出する(WPM=単語数÷秒数×60秒)
- 黙読の際にわからなかった単語や文法を調べる
- 速音読を20回行う
- タイマーで時間を測りながらもう一度黙読する
④過去問を解く
TOEICのリスニングパートの正答率9割以上を目指しているなら、過去問を用いて本番と同様の形式の問題を何度も解く勉強法もおすすめです。
公式の過去問を使用すれば、本番と同じ上質な問題に触れられ、問題形式に慣れることもできるため、公式の過去問を持っていない人はこの機会にぜひご購入ください。
すでに公式の過去問を持っている人は、過去問の使い方を見直してみましょう。
過去問を使用して勉強する人の中には、過去問を解いただけで勉強をやめてしまう人が多いです。しかし、過去問を使って効果的に勉強するためには、何より過去問を解いた後の復習が大切です。
間違ったところや聞き取れなかった音、わからない単語などがあれば、過去問を解いた後に調べる習慣をつけましょう。
TOEICリスニングで9割以上正答するためのコツ
TOEICのリスニングパートで9割以上正答するためには、リスニングスキルの向上に加え、TOEIC特有の問題形式を理解してコツを掴むことも大切です。
TOEICのリスニングは4つのパートに分かれています。
Part1 写真描写問題
Part2 応答問題
Part3 会話問題
Part4 説明文問題
これら全てのパートに共通して言える問題解答のコツは、設問を先読みすることです。
また、それぞれのパート別にも細かなコツがあるため、パート別のコツが知りたい人はこちらの記事の内容をご参照ください。
よくある質問・お悩み
TOEICのリスニングパートの対策を進めていると、ふと疑問を感じたり、悩みが出たりすることもあるでしょう。
特によくある質問やお悩みは、以下の2つです。
- TOEICリスニングを9割以上取れる人は音源をすべて聞き取れているのか
- スコアは9割以上取れるのに実際のネイティブの会話は聞き取れない
これら2つの質問やお悩みについて、次の章で具体的に解説します。
TOEICリスニングを9割以上取れる人は音源をすべて聞き取れている?
TOEICのリスニングパートで9割以上を取るためには、音源をすべて聞き取る必要があるのではないかと考える人も多いでしょう。
では、実際にリスニングパートで9割以上取得している人は皆、音源をすべて聞き取ることができているのでしょうか。
結論から言うと、大多数の人はすべて聞き取っていますが、中には音源をすべて聞き取れていない人もいます。
そのような人は、解答に必要な箇所のみ聞き取る能力に長けた人が多いです。
解答に必要な箇所のみ聞き取る力を鍛えることも有効ですが、聞き取れる量を増やす方が圧倒的に安定したスコアを取れるため、シャドーイングや速読などのトレーニングを通して聞き取れる量を増やすことをおすすめします。
スコアは9割以上取れるのに実際のネイティブの会話は聞き取れない
「TOEICのリスニングの点数は9割以上取れているのに、実際のネイティブの会話は聞き取れない」という悩みを持つTOEIC高得点保持者は多いようです。
TOEICに限らず、英検やTOEFLなどの試験用のリスニングは聞けるのに、実際のネイティブの会話は聞き取れない理由の1つとして、試験用の音源と実際のネイティブの会話の違いが大きいことが挙げられます。
試験用の音源には雑音が少なく、スラングなども使用されないため、実際のネイティブの会話と比べると聞き慣れた単語が多く現れ、音の変化なども多く聞き取りにくいのです。
ネイティブの会話になると聞き取れないという悩みを持つ人は、実際のスピーチ音源などを用いて生のネイティブの発音でシャドーイングなどのトレーニングをすることをおすすめします。
まとめ
この記事では、TOEICのリスニングパートで9割以上正答するためのコツや、おすすめの勉強法などをご紹介しました。
「TOEICは定期的に受験しているが、リスニングパートのスコアが伸び悩んでいる」という人は、この記事の内容を参考に今一度勉強法を見直してみてはいかがでしょうか。
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