シャドーイングを始めたばかりの方や続けている方の中には、
- どうしてこんなに疲れるの?
- 疲れるけど続けたら効果があるの?
と疑問を抱える人が多いのではないでしょうか。
結論から言うと、シャドーイングで疲れるのは「普通」のことです。なぜならシャドーイングは数ある英語トレーニング法の中でも、かなり負荷が高いものだからです。
この記事では疲れる理由を深掘りしながら、その効果を最大限に引き出す方法や口が疲れるときの対処法を詳しく解説していきます。
シャドーイング疲れに悩む方や、どのくらい疲れに耐えれば効果があるのか知りたい方などは、ぜひご一読ください。
※シャドテンラボおよびシャドテンは、株式会社プログリットによって運営されています
シャドーイングは、リスニング力を飛躍的に向上させます。
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シャドーイングで疲れるのは正常!その理由とは?
シャドーイングで疲れるのは、極めて正常なことです。
なぜならシャドーイングは、脳や身体の通常使わない部分に高い負荷をかけてトレーニングしなければならないからです。
具体的な理由は以下の3つです。
- 脳への負荷が高いトレーニングだから
- 慣れない筋肉を使っているから
- 精神的な集中力を消耗するから
それぞれについてご説明します。
①脳への負荷が高いトレーニングだから
シャドーイングはスクリプト(原稿)を見ずに、聞こえた音源の2語くらいあとをシャドーのようにおいかけて発話するトレーニングです。
スクリプトを見ないため、音声情報のみで内容を追わなければなりません。
また、ただの音真似ではなく、聞こえた音と単語を結びつけながら発話するため、かなり脳に負担もかかります。
さらにリスニングしながら発話するのは高負荷な作業であり、慣れるまではどうしても負荷が高くなります。
②慣れない筋肉を使っているから
シャドーイングでは口、舌、喉の筋肉を駆使します。
特に英語の発音では日本語にはない音があり、その音を再現するため普段あまり使わない筋肉を動かす必要があります。
運動不足の人が運動後に筋肉痛になるのと同じように、シャドーイングで慣れない筋肉を使うことで、口が疲れたり発音がぎこちなく感じたりするのは自然なことです。
③精神的な集中力を消耗するから
日本語であっても、専門用語などの聞きなれない言葉が多い文章を、スクリプトを見ずに音源を追いかけて発話していくのはかなり難しいものです。
英語ならなおさらで、シャドーイングはかなりの集中力を要求されます。
音源を聞き取る、音と単語を結びつけながら発話する、発音やイントネーションを音源にできるだけ似せる…、これらのことを同時に行うシャドーイングでは精神的な疲労を感じてしまう人は多いはず。
これらの理由からもわかる通り、シャドーイングで疲れるのは当たり前のことです。
ですが、疲れるのは高負荷でトレーニングができている証拠でもあります。続けることで徐々に慣れていきますので、心配せず取り組みましょう。
シャドーイングでの疲れを耐えれば効果はある?
疲れを乗り越えてシャドーイングを続けることで、確実に効果を得られます。
具体的には以下のような効果が期待できます
- リスニング力の向上:聞いた音を正確に認識する力が高まる。
- 発音の改善:自然なイントネーションや音のつながりを身につけられる。
- 英会話力の向上:リスニングが楽になることでスピーキングに集中できる。
ただし、これらの効果を得るには正しい方法で行うことが重要です。
間違ったやり方でやってもシャドーイング最大の効果である「音声知覚(=音と単語を結びつけること」は向上しません。以下の手順を参考に、正しくシャドーイングを実施するようにしましょう。
なおシャドーイングの具体的な効果や、どれくらいで効果を感じるかは、こちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひご一読ください。
正しいシャドーイングのやり方
簡単に正しいシャドーイングのやり方をご説明します。
新しい課題の1日目
シャドーイングの基本は、以下の6ステップです。
- スクリプトを見ずに音源を聞く
この段階でおおまかな内容を把握します。 - スクリプトと音源を照らし合わせる
単語の意味や発音を確認します。 - オーバーラッピング(音源に合わせてスクリプトを音読する)
リズムや抑揚を把握します。 - マンブリング(スクリプトを見ずに小声で発話する)
音源に慣れるためマンブリングをします。オーバーラッピング後、すぐにシャドーイングが実施できそうであれば、このステップは飛ばしても大丈夫です。 - シャドーイングを実施する
音源の2~3語後を追いかけながら発話します。 - 録音・振り返り
シャドーイングを録音し、発音や抑揚が正しいかなどの振り返りをします。
2日目以降
2日目以降は上記STEP5と6のみを実施します。
前日の振り返りで把握した苦手箇所などを意識しながら、シャドーイングを実施しましょう。単なる音真似にならないよう、音と単語のつながりをイメージしながらシャドーイングするのがポイントです。
なお同じ課題は3~4日は繰り返してください。
繰り返すことで音と単語のつながりといった音データが脳にしっかりと定着し、音声知覚の処理速度が向上していきます。
シャドーイングが疲れやすい時の対象法3選
シャドーイングで疲れるのは普通のことです。とは言え、疲れた状態でシャドーイングを続けるのは嫌になるもの。
シャドーイングで疲れを感じる時には、以下の3つの対処法を試してみてください。
①毎日少しでも継続する
シャドーイングの疲れを軽減するには、「継続」が非常に重要です。
継続は、筋力トレーニングの「筋肉痛」に似ています。
負荷をかけて筋トレをすると筋肉痛になりますが、続けていくうちに身体が慣れて耐性がつきます。シャドーイングも最初は疲れても、続けることで脳や口の筋肉が鍛えられ、疲れを感じにくくなっていくのです。
ポイントは、一度に長時間やりすぎないこと。
5~10分の短時間から始めて、毎日無理なく習慣化しましょう。疲れを恐れて間隔を空けてしまうと、せっかく鍛えた部分がリセットされやすいので、「少しずつでも毎日」を意識してください。
精神的にも「今日も少しだけやる」という気持ちで取り組むと負担が軽減され、長く続けやすくなります。
②顔をマッサージをする
シャドーイングでは普段使わない口や顎周りの筋肉を駆使するため、慣れない発音をする際に余計な力が入りがちです。その結果、筋肉が緊張して疲れやすくなることがあります。
顔のマッサージで、筋肉の緊張を和らげましょう。
特におすすめなのは、こめかみ、口角、顎周りを軽く指でほぐすこと。こめかみのマッサージは顔全体の血流を良くし、緊張を和らげます。また、口角や顎を優しく押しながら回すことで、発音時に酷使された筋肉をリラックスさせることができます。
また、マッサージはシャドーイング後の疲労軽減だけでなく、練習前に行うことで余計な力みを防ぎ、発話がスムーズになる効果も期待できます。
疲れを感じたら一旦休憩を取り、数分間マッサージをしてみましょう。疲れが軽減され、シャドーイングの効果をより実感できるようになります。
③負荷を調整する
シャドーイングを効果的に行うには、自分に合った負荷を設定することが重要です。
おすすめは、「少し難しいぐらい」のレベルに調整することです。具体的には、同じ教材を30回程度練習すれば途切れ途切れながらも音声についていけるレベルが理想的です。
ただし、これはあくまで下準備をしっかり行った場合に限ります。下準備として、音声の内容を理解し、スクリプトを確認して発音や意味を把握しておくことが必要です。
準備不足で無理に高負荷の練習を続けると疲労感だけが蓄積し、モチベーションの低下につながる恐れもあります。
自分にとって少し挑戦的な教材を選び、適切に負荷を調整することで、シャドーイングの効果を最大限に引き出せるでしょう。
負荷の調整方法は以下のようなものがあります。
速度を少しだけ落とす
シャドーイングについていけず疲れを感じる場合は、音源の速度を少しだけ落とすことを検討してみましょう。
おすすめは、元の速度から10~20%程度遅くすること。
音源を完全にスローにしすぎると自然なリズムを掴みにくくなるため、少しの調整がポイントです。多くの教材やアプリでは速度調整機能がついているので、それを活用してみてください。
慣れてきたら徐々に元の速度に戻すことで、実践的なリスニング力と発話スキルを自然に高められます。この方法は初心者にも負担が少なく、長く続けやすい練習法です。
教材の長さを30秒~1分以内にする
シャドーイング初心者や疲れを感じやすい人には、教材の長さを30秒~1分程度に設定するのがおすすめです。
長い音源を一気に練習すると集中力が切れやすく、脳や口の筋肉に負担がかかりやすくなります。短い教材なら繰り返し練習しやすく、疲労を軽減しながら効率的に進められます。
また短い音源に集中することで、発音やイントネーションの細部に注意を向けることができ、精度を高める効果も期待できます。
長い教材を使いたい場合でも、短い区間に分けて練習すると負担を抑えられるのでおすすめです。
完璧主義にはならない
シャドーイングを続ける上で大切なのは、「9割できていればOK」と割り切ることです。すべてを完璧にこなそうとすると疲労感が増し、精神的な負担が大きくなります。
特に初心者の段階では音声を100%再現するのは難しいので、最初から完璧を求める必要はありません。
シャドーイング最大の目的は、音と単語を結びつけ音声知覚を向上させることにあります。途中で多少聞き取れない部分があったり、発音が正確でなかったとしても、全体の流れについていけているなら十分です。
「できる範囲でベストを尽くす」ことを意識し、細かいミスを気にしすぎないようにしましょう。少しずつの進歩が最終的な大きな成果につながります。
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シャドーイングの効果を最短で感じるためには、「正しくシャドーイングを実施する」ことが重要です。
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