- 「英単語がなかなか定着しない」
- 「効果的な英単語の覚え方を知りたい」
- 「単語が覚えられないから英語が苦手」といった悩みを抱えていませんか。
英語を学ぶ上で、単語の知識は欠かせない要素の1つです。しかし暗記が難しく、モチベーションが下がってしまう方も少なくないでしょう。
英単語を効果的に覚える鍵は、自分の特性に合った覚え方を取り入れることです。
この記事では、英単語が覚えられない人に共通する理由や、自分の特性に合った英単語の覚え方について詳しく解説します。英単語学習におすすめの人気アプリや、覚える際の注意点もまとめました。
英単語の暗記にお悩みの方は、ぜひお役立てください。
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そもそも英単語はそんなに重要?
まず、英単語を覚える重要性について考えてみましょう。
単語は文章を形成する最小単位であり、複数の単語が組み合わさって文章や会話が成り立ちます。
言い換えれば、単語を知らなければ文章を理解することが難しくなります。
どんなに複雑な英文法を知っていても、基本となる単語の意味が分からなければ、英語でコミュニケーションを取ることはできないでしょう。
以下の文章を例にしてみましょう。
例文) The wedding ceremony was beautiful, but some criticized it for its extravagance.
この文章を単語に分解すると
「その/結婚/式/だった/美しい/しかし/何人か/批判した/それを/豪華さ」
になります。正確な文章でなくても、それぞれの単語の意味がわかることで、文章全体の内容を推測できます。
しかし、「wedding ceremony =結婚式」「criticized=批判した」「extravagance = 豪華さ」などの単語を知らなければ「何がどうだったのか」が理解できず、文章の内容をほとんど理解できないでしょう。
英単語を覚えるのは面倒で時間がかかる作業ですが、英語を理解するためには不可欠なステップです。
少しでも効率よく学習できるよう、英単語が覚えられない原因や効率の良い覚え方を知り、楽しく学習していきましょう。
なぜ英単語をなかなか覚えられない?4つの理由
続いて、英単語を覚えられない4つの理由について解説します。
- 反復練習が足りない
- 反復までの時間が空きすぎている
- 学習後にその単語に出会う機会が少ない
- 自分の認知特性に合った学習をしていない
英単語が覚えられない場合、これらの理由が関係していることが多くあります。当てはまる点はないか、確認してみてください。
①反復練習が足りない
1つ目の理由は、反復練習が足りていないことです。
英単語をしっかり覚えるには、何度も繰り返し練習することが大切です。
反復学習の重要性を理解するうえで基盤となる考えに「エビングハウスの忘却曲線」があります。
エビングハウスの忘却曲線とは、学習後の記憶の減衰を表すグラフで、学習後20分で約40%、1日後には約70%の情報を忘れる可能性があることを示しています。
※実際には「何を覚えるのか」「背景知識はどのくらいあるのか」などによって、記憶の定着率は変わる。
また、「覚えている量」ではなく、「記憶を呼び戻すまでにかかる節約率」を表している。
この概念は、情報をしっかりと記憶させるためには反復練習が重要なことを強調しています。定期的に復習することで、忘却曲線を緩やかにし、情報を長期的に覚えることができるのです。
1つの単語に長時間をかけて1回で覚えようとするのではなく、1語にかける時間は短く(30秒ほど)し、何度も繰り返し反復することが重要です。
②反復までの時間が空きすぎている
2つ目の理由は、反復までの時間が空きすぎていることです。
前述した「エビングハウスの忘却曲線」によると、学習した内容は20分後には約40%、1日後には約70%が忘れられてしまいます。つまり、1回目の復習が翌日以降では、英単語を効果的に覚えることが難しくなります。
忘却曲線に基づいた適切な復習のタイミングは、次の通りです。
- 1回目の復習:1日以内
- 2回目の復習:翌日
- 3回目の復習:1回目の復習から1週間後
- 4回目の復習:2回目の復習から2週間後
- 5回目の復習:3回目の復習から1ヶ月後
ポイントは、1日の間に急激な忘却が起こるため、学習した1日以内に反復練習することです。また、中長期的な復習を組み合わせ、長期記憶にしっかりと移行させることも欠かせません。
忘却曲線を意識して反復練習のタイミングを設定することで、暗記がスムーズにできるようになるでしょう。
③学習後にその単語に出会う機会が少ない
3つ目の理由は、1度覚えてもその単語に出会う機会が少ないことです。
同じ単語に何度も出会うことで、頻繁に復習され、記憶がしっかりと定着します。逆に、学習後に1度も出会う機会がないと、実践的な復習ができず、単語を忘れてしまう要因になります。
異なる文脈や状況で単語に出会うことも重要です。
例えば、単語帳で覚えた英語がドラマで使われていれば、その単語の正しい発音や実践的な使い方を理解できます。単語が抽象的なものから具体的で立体的なものに変わり、より深い理解と記憶につながるでしょう。
覚えた単語をしっかりと定着させるためには、日常的に様々な英語に触れ、単語に出会う機会をできるだけ多く作ることが大切です。
④自分の認知特性にあった学習をしていない
4つ目の理由は、自分の認知特性にあった学習をしていないことです。
英単語を効果的に覚えるためには、単語帳を読むだけではなく、耳や口を使って五感を活用することが大切です。
五感のどの部分を重点的に活用するかは、個人の認知特性に大きく関わります。認知特性については、次項でより詳しく解説します。
おすすめの英単語の覚え方は人によって違う!?
ここからは、おすすめの英単語の覚え方について解説していきます。
英単語がなかなか覚えられない場合、自分の認知特性に合った方法で学習していない可能性があります。
認知特性とは、五感から得た情報を理解・整理・記憶・表現する能力のことで、人にはそれぞれ異なる認知特性が備わっていることがポイントです。
認知特性は、大きく以下の3つに分類されます。
- 視覚優位:見た情報を処理するのが得意なタイプ
- 言語優位:読んだ情報を処理するのが得意なタイプ
- 聴覚優位:聞いた情報を処理するのが得意なタイプ
参考:本田真美(著)医師のつくった「頭のよさ」テスト (光文社新書)
自分の認知特性を理解し、単語学習に活かすことが、単語をスムーズに覚える秘訣です。
まずは、無料のテストで自分の認知能力を知ることから始めましょう。
【タイプ別】英単語の覚え方のコツ
自分の認知特性を把握できたら、それぞれのタイプ別の英単語の覚え方を見ていきましょう。
前項で紹介した3種類の認知特性をさらに細分化すると、次の6つにわけられます。
- 視覚優位:写真(カメラアイ)タイプ
- 視覚優位:三次元映像タイプ
- 言語優位:言語映像タイプ
- 言語優位:言語抽象タイプ
- 聴覚優位:聴覚言語タイプ
- 聴覚優位:聴覚&音タイプ
1つの特性を強く持っている方もいれば、複数の特性を併せ持っている方もいます。
それぞれ見ていきましょう。
【視覚優位】写真(カメラアイ)タイプ
カメラアイタイプの特徴は、写真や絵など二次元(平面)の情報を記憶するのが得意なこと。
このタイプは、イメージを使って英単語を覚えると効果的です。
おすすめの学習法は、Googleの画像検索を活用して単語を検索することです。絵辞典や英語マンガを利用したり、自分でイラストを描いたりしても良いでしょう。
視覚的な要素が加わることで、単語の記憶の引っかかりが増え、脳に定着しやすくなります。
【視覚優位】三次元映像タイプ
3次元映像タイプの特徴は、空間や時間軸を活かして三次元で情報を処理すること。
このタイプは、覚えたい単語に周辺の環境を結びつけて記憶すると効果的です。
おすすめの学習法は、Googleの画像検索を活用して単語を検索し、出てきた写真に自分を投影したり映像を作ったりして単語を覚えることです。
例えば、「concentrate」(集中する)を覚える場合、画像検索で出てきた集中している人の写真を見て、その人物を自分に置き換え、自分が集中している様子や気持ちを具体的に想像して覚えると良いでしょう。
ポイントは、立体的な捉え方をすることです。平面的な写真やイラストだけではなく、ストーリーや動きを加えて覚えると効果的です。
【言語優位】言語映像タイプ
言語映像タイプの特徴は、文字と映像を結びつけるのが得意なことです。
おすすめの学習法は、覚えたい英単語を自分が使っている姿を具体的に想像することです。
例えば、実際に英単語を使ってロールプレイをしたり、オリジナルの文章を作ってその状況をイメージしたりすると良いでしょう。
また、語呂合わせも効果的な方法です。単語を文字だけで覚えるのではなく、イメージしやすい語呂に置き換えて覚えることで、記憶により定着しやすくなります。
例)concentrate (コンセントレイト:集中する)が覚えられない場合
「集中して、コンセント(コンセント)を冷凍(レイト)する」とイメージとともに覚える
【言語優位】言語抽象タイプ
言語抽象タイプの特徴は、文字から得た情報を整理し、図式化することが得意なことです。
このタイプは、覚えたいことを自分なりの方法でまとめて整理すると良いでしょう。例えば、オリジナルの単語帳を作って、自分が分かりやすい方法でまとめると効果的です。
また、イメージが掴みづらい単語は、図や表でまとめるとより深く理解できるでしょう。「イメージで覚える単語帳」や「語源で覚える単語帳」などを用いた学習も効果的です。
【聴覚優位】聴覚言語タイプ
聴覚言語タイプの特徴は、文字や文章を音として情報処理することです。文字で読むよりも音で聞いた方が理解できる傾向があります。
おすすめの学習法は、音声を聴きながら単語を覚えることです。ラジオ教材や音声データを活用すると良いでしょう。
単語や例文を音声で何度も繰り返し聞くと効果的です。
【聴覚優位】聴覚&音タイプ
聴覚&音タイプの特徴は、音色を脳に認識させて情報を処理することです。
このタイプは、九九や元素記号と同じように、一定のリズムに乗せて唱えるようにして覚えると効果的です。例えば、キクタンのチャンツを利用すると、リズムに乗せてスムーズに覚えられるでしょう。
自分がキャッチーだと感じるリズムを活用して、オリジナルの単語リストを作成する方法もおすすめです。
【全タイプ共通】英単語を覚えるときの3つのポイント
続いて、英単語を覚えるときのポイントを3つ紹介します。
認知特性のタイプにかかわらず、重要なポイントなのでチェックしてくださいね。
①必ず単語の音も確認する
単語を覚える際は、スペルと和訳だけでなく、単語の正しい発音も確認しましょう。
見て覚えるだけでは、リスニングで瞬時に理解したり、スピーキングで自由に使いこなしたりすることが難しいことが理由です。
単語帳やアプリに付属している音声データを活用すると便利です。
②効率を上げたいならまずは発話する
暗記の効率を上げるためには、発話することがおすすめです。
認知特性に合わせた方法はとても有効ですが、イラストを描いたり画像検索をしたりと時間がかかることがデメリットです。効率性を求めるなら発話しながら覚え、どうしても覚えられない単語のみを特性に特化した方法で学習することをおすすめします。
発話しながら覚える方法は、以下を参考にしてください。
<やり方>
- 英単語を見る
- 日本語の意味を考える
- 答えをチェックする
- 英語と日本語を交互に3回程度発話する
発話すると同時に、英単語が持つニュアンスまで把握しておくと、記憶に残りやすくなります。正確な発音を再現しながら練習することで、スピーキングスキルが向上する効果も期待できます。
③前日実施した範囲は翌日も実施する
前日に学習した範囲を翌日も復習することが大切です。
エビングハウスの忘却曲線では、短時間で復習することで、効率良く覚え直しができることが示されています。
1度覚えた単語を1週間後に復習する場合、その単語を学習したことすら忘れていることは少なくありません。そうなれば、また一から覚え直すため、1回目に覚えたときと同じ時間や労力が必要です。
しかし、翌日の復習であれば、和訳を完璧に覚えていなくても、単語のイメージが残っていたり、スペルの綴りには見覚えがあったりします。そのため、1回目よりも少ない時間や労力で単語の覚え直しができることがポイントです。
また、就寝中に記憶が定着するというメカニズムを利用し、就寝前に単語学習し、翌朝にもう一度復習することも効果的です。
英単語を覚える際の2つの注意点
英単語を効率良く覚えるためには、以下2つの点に注意しましょう。
- 瞬時に日本語で言えるようになるまで落とし込む
- 同じ単語帳は2周以上実施する
それぞれ解説します。
①瞬時に日本語で言えるようにまで落とし込む
1つ目の注意点は、瞬時に日本語で言えるようになるまで落とし込むことです。
1つの単語には複数の和訳がありますが、そのどれもはっきりと覚えておらず、大体のイメージのみで覚えてしまうと、ふわっとしたイメージだけが残り、瞬時に意味のある言葉として反応できない可能性があります。
単語を覚える際は、即座にメインの和訳が出るまで確実に落とし込むことが大切です。
②同じ単語帳は2周以上実施する
2つ目の注意点は、同じ単語帳は2周以上実施することです。
ポイントは、覚えている単語も含めて全体を反復すること。理由は、同じ単語に繰り返し出会うことで記憶をより強固なものにするためです。
単語帳は2周以上繰り返し、しっかりと脳に定着させることを意識しましょう。
英単語学習におすすめのアプリ3選
英単語学習におすすめのアプリを3つ紹介します。
反復練習がしやすく、様々な認知特性に対応しているアプリを厳選しました。ぜひ参考にしてください。
①mikan
mikanは、TOEICや英検などの資格対策から、日常会話やビジネス英会話まで幅広い単語が学習できるアプリです。
特徴は、中学英語からビジネス英語、TOEIC対策など豊富な学習コースが用意されていること。
「速読英単語」や「英単語ターゲットシリーズ」など、140冊以上の単語が収録されています。AIが最適な単語問題を出題してくれるので、何の単語を学ぶのか悩まずに学習を進められることも魅力です。
また、独自のアルゴリズムで単語の定着率を判定してくれるため、効率良く学習できることもポイントです。音声はもちろん、語源や例文も確認できるので、自分の特性に合った方法で学習しやすいことも利点でしょう。
<特徴>
- 140冊以上の単語帳が収録されている
- 4択学習で記憶度を確認できる
<こんな人におすすめ>
- 語源で覚えたい人
- 資格対策がしたい人
- AI搭載のアプリで効率良く学習したい人
<対応機種>
iOS/Android
<価格>
無料
※全機能を利用するには有料:1ヶ月600円~
②キクタン
アルクのベストセラー書籍「キクタン」の全単語が収録されたアプリです。基礎から応用編まで学べる英単語シリーズと、TOEIC対策用のTOEICシリーズの2種類があります。
特徴は、単語を音楽に乗せながら覚えられる「チャンツ」機能が付いていること。4単語1セットをリズムで覚えられるので、無理なく気軽に覚えられることが魅力です。
また、16語を10周で覚えられるようにプランニングされており、自動的に反復練習できる設定になっていることもポイントです。
単語は和訳のみでなく、動詞・形容詞などの変化形や、例文、音声も同時に確認できます。AIによる発音認識機能も付いているため、正しく発音できているのかチェックできる点も便利でしょう。
<特徴>
- チャンツモードでリズムに乗りながら単語を覚えられる
- AIによる発音認識機能で正しい発音を習得できる
<こんな人におすすめ>
- リズムで覚えたい人
- 反復練習できるように誘導してほしい人
<対応機種>
iOS/Android
※シリーズによっては対応していない場合あり
<価格>
650円~
※シリーズや機能によって異なる
③英単語 by 物語堂
英単語 by 物語堂はTOEIC・TOEFL・英検に対応した英単語アプリです。
特徴は、「英単語ターゲットシリーズ」や「英検でる順パス単」「TOEIC® L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ」「チャンクで英単語シリーズ」など、定番の英単語帳が収録されていること。
単語をただ覚えるだけでなく、確認・クイズと段階的なステップを踏みながら反復学習できるように設計されているため、着実に暗記できることが魅力です。
また、手書きや音声で回答でき、自分の特性に合った回答方法を選択できることもポイントです。
単語帳は便利なマーカー機能付きなので、自分なりの方法で単語帳をまとめたい人にも最適でしょう。
<特徴>
- TOEIC・英検・TOEFLの資格に特化している
- 人気の定番単語帳が揃っている
<こんな人におすすめ>
- 資格対策したい人
- 手書き回答や音声回答したい人
<対応機種>
iOS
<価格>
無料
※学習コンテンツは650円~
英単語をより定着させるには?
最後に、英単語をより定着させるためのポイントを紹介します。
英単語をより定着させるには、シャドーイングやリーディングなど、他の学習を組みあわせることが大切です。
一度覚えた単語でも、その後、使う機会がなければ忘れてしまいます。複数の方法で繰り返し出会うことが、長期記憶に定着させる秘訣です。
特にシャドーイングは、単語が実際の文章の中で使われたときの音声変化に触れることができるため、実践的な単語の発音の理解が習得できることが利点です。
単語を実際の文脈で聞き取るためには、単語単体の発音だけでなく、文章の中での発音の変化も把握することが欠かせません。
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