「リスニングのとき、メモを取らなきゃ」とよく聞くけれど、実際は書きながらだと頭が追いつかない、そもそもペンを動かすのが煩わしい……そんな悩みを抱えていませんか?
特に試験や普段の学習で「メモを取ると肝心の音声を逃してしまう」「メモした内容を見返す余裕がない」と感じる人は多いようです。
メモを取ること自体が悪いわけではありませんが、実際に使いこなせなければ、かえって集中力が途切れてしまう原因になりがち。とはいえ「本当にメモを取らなくて大丈夫?」と不安になる人も少なくないはずです。
本記事ではそんなあなたのために、“メモを取らない”リスニングのメリット・デメリット、そしてメモに頼らず内容を保持する方法を詳しくご紹介します。ぜひ最後まで読み進めてみてください。あなたの学習スタイルを変えるヒントが見つかるかもしれません。
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メモを取らないリスニング学習の背景
「メモが有効」と言われる理由
リスニングの授業や試験対策で、「メモを活用しましょう」と言われた経験がある人は多いはず。その背景には、主に以下のような考え方があります。
- 必要な情報を抜き出す訓練になる
音声をただ聞き流すだけでなく、要点をメモすることで理解度が高まると考えられています。 - 後から見返せる安心感
短期記憶には限りがあり、一度にたくさんの情報を頭にとどめるのは難しいもの。メモという“外部記憶”が役立つとも言われています。
それでも「メモを取らない」選択肢が注目される理由
しかし一方で、「メモを取らないほうが集中できる」「メモを取る余裕がなく、逆に聞き逃してしまう」という声も存在します。
実際に、メモの取り方をマスターしていない状態だと、ペンを動かすことに意識を割かれすぎて音声自体に耳が向かわないこともしばしば。メモを取る時間が短いリスニングテストでは、メモの途中で次々に問題が進行してしまう、というリスクも否めません。
また、TOEICなどはメモを取ることを禁止している試験もあります。
こうした背景から、あえてメモを取らず、音声の理解と集中にフルに力を注ぐというアプローチが存在しています。
メモを取らないリスニングのメリット3選
①聴くことに全神経を注げる
メモを取る際には、手元と耳の両方に意識を配分する必要があります。あえてメモを捨てることで、リスニングに集中できる環境を整えられます。
特に初心者や中級者にとっては、一瞬の聞き逃しが理解度に大きく影響しがち。ペンを握っていると焦りからミスを誘発することもあるので、余計な負担を減らせる点は大きなメリットです。
②話の流れを“リアルタイム”で追いやすい
メモを取ろうとすると、どうしても文章を要約する時間が必要になります。
その間に、音声はどんどん先へ進み、気づけば置いていかれることも。メモがない分、常に耳が話の流れに“同時並行”でついていく形になるため、自然なスピードの英語を途切れなく処理しやすくなります。
③試験形式とマッチする場合がある
英検などのリスニング試験では、問題文が流れるスピードが速く、メモに気を取られている時間がない場合も多々あります。
そもそもメモをあまり想定していない形式の試験では、メモを無理に取るより本番の形式に合わせて“耳”に集中するほうが有利という考え方もあるのです。
メモを取らないデメリットと対策
情報を一度に保持するのが難しい
大きな課題としては、「耳で聞いた情報が一瞬で消えてしまう」こと。メモがないということは、自分の記憶だけが頼りです。長めの音声を聞く場合や、固有名詞・数字などが頻繁に登場する場合は、覚えておくこと自体が難しくなります。
対策
- キーワードを頭の中で反復する
「数字が出てきたら数秒後にもう一度心の中で唱える」「大事そうな単語を再度自分の頭の中で繰り返す」などの手法で、短期記憶を補強します。 - 場面をイメージ化する
言葉を単なる文字列ではなく、イメージ(映像)として捉えると記憶に残りやすいとされます。
後から内容を振り返りにくい
学習として後でレビューしようと思っても、メモがないと内容を再チェックするのが難しくなります。
対策
- 音声の再生や録音データの準備
学習なら同じ音声を何度も聴けるようにしておくと、復習がスムーズになります。試験では不可能な方法ですが、日常学習では繰り返し再生が最大の武器となるでしょう。 - リスニング後すぐに要点を書き出す
聴き終わった直後、まだ記憶が鮮明なうちに、重要ポイントをざっとメモする方法もあります。リアルタイムではなく、“終わってからまとめる”という発想です。
上級者向けのケースもある
ある程度英語力がついていないと、メモなしで長文を理解するのはハードルが高いです。初級~中級者では最初、メモを活用したほうが理解が進むこともあります。英語レベルによっては「段階的にメモを減らしていく」アプローチがベターです。
また、もしメモを取るなら可能であれば英語のまま、難しい場合は音をそのまま表記したカタカナや、語彙を日本語に直して書くのもOKです。英語を英語のままで書く方がスピードは速いですが、見返したときにわからないと意味がないのでメモを取る場合は自分に合った書き方を見つけましょう。
メモを取らずにリスニング内容を保持する方法4選
①キーワードを即リピートする
メモではなく、口頭で繰り返すやり方です。短いフレーズや重要単語を聞いた直後に小声でつぶやき、自分の中で再確認します。声に出すことで記憶が強化される効果が期待できるうえ、次の内容を聞き逃すリスクも最小限に抑えられます。
- 注意点: 電車や図書館などの環境ではできないので、自宅学習や個室でのトレーニングにおすすめです。
②内容を映像化する
音声の内容をあえて絵や図として思い浮かべるトレーニングも有効です。人が動く場面ならキャラクターを想像し、数字ならグラフやテーブルを脳内で作るなど、視覚情報に変換することで記憶の定着を図ります。
この手法は、短期的なメモの代わりに脳内イメージを使うという発想です。
③速い音声への耐性をつける
ゆっくりした英語ならメモ不要でも理解できるが、速い英語になると全くついていけない……というケースがあります。そうした場合は、徐々にスピードを上げる練習が効果的です。
- 例: はじめは0.75倍速→0.9倍速→1.0倍速→1.1倍速……と少しずつ通常以上の速度に慣れていく
そうすることで、実際の試験やビジネスシーンで話されるスピードにも対応しやすくなります。
④スクリプトを活用しメモなしへの耐性をつける
学習用の音声にスクリプトがあるなら、まずは文字で内容をしっかり理解してからメモを取らず聴き直します。
内容の予備知識を頭に入れた状態でリスニングするので、初見のときよりも格段に理解しやすいはずです。これによって、「メモがなくても大丈夫」という自信につながります。
メモを取らないリスニングを活かす試験・シーン
ではメモを取らないでもリスニングができるようになると、どのような場面で便利なのでしょうか?
①メモ時間が限られるテストや禁止されているテスト
TOEICリスニングは約45分間、一気に流れる音声を聴きながら問題を解きますが、そもそもメモを取ることを禁止されています。そのため普段メモを取ることに慣れている人は少し問題を解きづらく感じてしまうことも。
英検もセクションによっては問題と問題の間隔が短いため、その間に完璧なメモを取るのは難しいです。そのため無理にメモを取るより音声自体に全集中した方が高いパフォーマンスを出せる人も大勢います。
②語学学校やオンライン英会話
メモを取る時間があまりなく、口頭でのやりとりがメインになる場面では、「メモなしで記憶に頼る」ことも自然と多くなります。
特にオンライン英会話の場合、講師との会話に専念した方がスムーズにコミュニケーションできるでしょう。
③ビジネスミーティングのためのリスニング練習
実際の仕事の打ち合わせでも、英語が飛び交うなか一語一句メモできるわけではありません。
大事なポイントは後から議事録にまとめるとして、その場で必要なリアクションや質問をするために、まずは耳で理解するスキルを優先して鍛えておくと実践的です。
まとめ:あなたのスタイルに合った「メモなしリスニング」を
メモを取るメリットは確かにありますが、必ずしも全員が同じ方法で学習効率を上げられるわけではありません。なかにはメモそのものがストレスになり、リスニングに集中できないというケースもあります。
英語レベルや試験形式、日常での使い方を考えながら、「メモあり」「メモなし」の両方を試し、自分にフィットするやり方を見つけるのが理想的です。
- 初心者はメモを活用しつつ、徐々に減らしていく
- 中・上級者はノーメモにチャレンジし、集中力を鍛える
- 試験やビジネスシーンの形式によって臨機応変に使い分ける
特に、メモなしリスニングでは短期記憶力が重要になります。そのため、「聴き取った瞬間にイメージ化する」「キーワードを口に出して反復する」といった工夫を意識的に行うことで、より充実した学習体験を得られるでしょう。
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