- ネイティブの英語ははやすぎてついていけない
- リスニングをしていても、何を言ってるかさっぱりわからない
英語を学習している皆さんの中には、このような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
そのような悩みは、英語耳を習得することで解決できます。
英語耳とは、簡単にいうと「英語を正しく聞き取ることができる耳」のことです。
英語特有の音やリズムは、小さい頃から英語に触れてきた人だけが習得できるものだと思っていませんか?
実は、正しい方法でトレーニングすれば、大人でも英語耳を身につけることができるのです。
この記事では、
- 耳で英会話を学習するメリット
- 耳で英会話を学習する際のポイント
- 英語耳になれるおすすめの勉強法と効果
などをご紹介します。
リスニング力を向上させたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
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英語耳とは?大人からでもなれるの?
英語を学習している方なら、英語耳という言葉を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
ここまでで解説した通り、英語耳とは「英語を正しく聞き取ることができる耳」のことです。
すなわち、英語特有の音やリズム、イントネーションを聞いて、英語のまま会話の内容を理解する能力のことを指します。
この「英語耳」がなければ、英語の音を英語の単語と結びつけることができず、英会話の際に正しく内容を理解することができません。
また、英語耳は子供の頃から英語の音を聞いて英語学習をしてきた人だけが習得できると思われがちですが、実は正しい勉強法を続けていれば、大人でも習得することができます。
耳で英会話を学習する意味とは?
英会話を上達させるために、口から英語を発するアウトプットの練習がよく巷にはありますが、耳で英会話を学習することも大切です。
実際の英会話の場面を思い浮かべてみてください。
相手が言っていることを理解できなければ、いくらスピーキングの能力が高くても、言葉のキャッチボールが成り立ちません。
すなわち、会話はリスニングから始まるため、リスニングができることはスピーキングができることよりも重要です。
そのため、耳で英会話を学習することは、会話力を向上させる上でとても大切な学習方法なのです。
英語学習を耳でする3つのメリット
耳を使った英語学習には、どのようなメリットが挙げられるのでしょうか。
耳を使った英語学習をすれば、
- たくさんの音データを蓄えることができる
- スキマ時間で学習ができる
- 同時並行で学習ができる
など、特に社会人英語学習者向けのメリットが多く挙げられます。
これら3つのメリットについて、1つ1つ解説していきます。
①たくさんの音データを蓄えることができる
英語学習を耳でするメリットの1つ目に、たくさんの音データを蓄えることができるという点が挙げられます。
英語と日本語はリズムやイントネーションが大きく異なり、最近では英語と日本語の周波数も違うという研究結果が発表されています。
英語を習得するためには、まず日本語にはない英語の音に慣れなければいけません。
耳を使って英語学習をすることで、英語特有の音やリズム、イントネーションなどのデータを蓄えることができます。結果として、リスニングやスピーキングのスキルの向上につながります。
②スキマ時間で学習ができる
英語学習を耳でするメリットの2つ目には、スキマ時間で学習ができる点が挙げられます。特に、社会人英語学習者にとっては、英語学習の時間を確保するのは難しいですよね。
時間の確保が、英語学習を継続する上での一番のハードルにもなり得ます。
そこで、通勤時間などを使って英語学習を耳でする習慣をつけてみてはいかがでしょうか?
例えば、毎朝の通勤時間を利用して英語ニュースを聞いたり、YouTube動画を見たり、好きなアーティストのインタビュー動画を繰り返し聞いたりするのも良いでしょう。
なお、通勤時間を使っての具体的な学習方法が気になる方は、こちらの記事の内容も参考にしてください。
③同時並行で学習ができる
英語学習を耳でするメリットの3つ目として、他のことと同時並行で学習ができるという点が挙げられます。
文法学習やリーディング学習をする際などは、基本的には机に向かって勉強するため、他のことと同時並行で学習するのは難しいでしょう。
しかし、耳を使った英語学習であれば、家事や簡単なエクササイズをしながら実施できます。
「毎日やることに追われていて、英語学習をするための時間が確保できない」という方は、耳を使った英語学習から始めてみてはいかがでしょうか。
英語耳になるために理解しておきたい英会話の5step
皆さんは、英会話の5ステップをご存知でしょうか。
英会話の5ステップとは、英会話をする際に踏む5つのプロセスのことを指します。
- 音声知覚
- 意味理解
- 概念化
- 文章化
- 音声化
私たちは、これら5つのステップを経て英会話を行います。
特に最初の「音声知覚」と「意味理解」は、リスニングをする際に必要なステップです。
「音声知覚」とは、英語の音を聞いて単語を認識するプロセスのことで、「意味理解」とは認識した単語の意味を理解するプロセスのことを指します。
例えば、「ライダウェイ」と聞こえた時、その音を英語の”right away”だと認識することを「音声知覚」と言い、その認識した単語の意味を「すぐに」と理解することを「意味理解」と言います。
この2つの要素が英語耳になるために重要なのです。
耳で英語を学習する時に抑えたい3つのポイント
耳を使った英語学習を始める際に、効果的な学習ができるように意識してほしいポイントが3つあります。
- 教材のレベルを確認する
- 聞き流しにならないようにする
- 他の勉強と組み合わせる
これら3つのポイントを抑えながら学習を行いましょう。
ポイントを1つ1つ解説していきます。
①教材のレベルを確認する
まず、教材のレベルを確認しましょう。
自分の英語レベルに対して高すぎるレベルの教材を選んでしまうと、学習を続けてもなかなか英語を聞き取れるようにならず、学習をやめてしまう可能性があります。
また、逆に低いレベルの教材を選んでしまっても、効果が実感できなかったり、モチベーションを維持できなかったりと、学習の挫折につながります。
理想的なのは、自分の英語レベルよりも少し高いレベルの教材を使用することです。ただし、多読などの特定のトレーニングは自分の英語レベル同等程度を推奨する場合もあるので、各トレーニングごとに教材レベルは選んでいきましょう。
教材の中には「初級者向け」「中級者向け」「上級者向け」など、レベル別に対象者を記載しているものもありますので、参考にすると良いでしょう。
②聞き流しにならないようにする
耳を使った英語学習をする際には、単なる聞き流し学習にならないように注意しましょう。
聞き流しをすれば英語の音に慣れることはできますが、どの音が聞き取れないのか、何が原因で聞き取れないのかなどの分析ができないため、学習効果は低いです。
耳を使った英語学習を行う際には、間違った箇所とその原因をしっかりと分析することが大切です。
また、聞き流しをしていると「英語学習したつもり」になり、達成感だけが残って結局何も身に付かなかったということにもなりかねません。
耳を使った英語学習をする際には、学習後に間違い箇所や原因を分析したり、聞こえた音を自分の口でも再現してみたりして、意味のある英語学習を行いましょう。
③他の勉強と組み合わせる
耳を使った英語学習は、他の勉強と組み合わせることで効果が上がります。
例えば、英会話の5ステップのうち「意味理解」の速度が遅い場合などは、多読などのリーディング学習を組み合わせると良いでしょう。
これは、多読をすることによって英語を英語のまま理解する力が向上するためです。
さらに、英語の発音記号を勉強するなどして英語の音声知識を身につけると「音声知覚」の力を向上させることができます。
ある一定のレベル以上の英語力を身につけた後は、耳を使った英語学習のみでも英語耳を習得できますが、最初のうちは他の勉強と組み合わせるのがおすすめです。
英語耳になれる5つのおすすめ勉強法とその効果
英語発音を習得するためには、具体的にはどのような勉強法があるのでしょうか。
- シャドーイング
- ディクテーション
- 音読
- 多読
- 多聴
ここでは、これら5つのおすすめの勉強法をご紹介します。
各勉強法に期待できる効果についても詳しく解説しますので、ぜひ英語学習の参考にしてください。
シャドーイング
シャドーイングは、英語の音を聞いたすぐ後にその音を真似して発声する英語学習法で、英会話の5ステップのうち「音声知覚」の向上におすすめです。
シャドーイングは発声を伴う英語学習のため、音声知覚処理のスピードが向上したり、発声練習ができたりと、英語学習をする上でメリットが多いためおすすめできます。
シャドーイングを習慣にする際は、シャドーイングのトレーニング初日とそれ以降でやり方が異なります。
まず、シャドーイングのトレーニング1日目は、
- 音声を聞いて、どれだけ聞き取れるか確認する
- スクリプトを見ながら文章の内容を把握する
- オーバーラッピングをする
- 必要に応じてマンブリングをする
- シャドーイングをする
- 録音・振り返り
この1から6のサイクルでトレーニングを行いましょう。
シャドーイングのトレーニング2日目以降は、
- シャドーイングをする
- 録音・振り返り
この1と2のサイクルでトレーニングを行ってください。
シャドーイングのやり方はこちらの記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
ディクテーション
ディクテーションは聞こえた英語を一言一句文字に書き起こす英語勉強法で、シャドーイングと同様、英会話の5ステップのうち「音声知覚」の向上につながるおすすめの勉強法です。
一方で、ディクテーション中に音声知覚の処理能力は使用しないため、「音声知覚」の処理スピードの向上はできません。
ディクテーションのやり方は、以下の通りです。
- 音源を聴いて概要を理解する
- 1〜2文ごとに音源を一時停止させながら、文字に書き起こす
- スクリプトを確認して、書き起こしできなかった部分を確認する
- 書き起こしできなかった原因を分析する
ディクテーションを行う際のポイントは、最後に書き起こしができなかった部分をしっかりと分析することです。
自分の弱点を把握して、対策を立て、書き起こしをしてそのまま学習を終えることのないようにしましょう。
なお、詳しいディクテーションのやり方が知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
音読
音読をすることで、すでに持っている知識を高速処理できるようになります。
例えば、皆さんの中には「単語帳で新しく学んだ単語を英会話で使おうとしても、なかなか口から出てこなかった」という経験のある方はいませんか?
音読をすれば、習得した単語の知識を高速処理できるようになるため、咄嗟に単語が口から出てくるようになります。
また、これはリスニングの際にも同じことが言えます。
音読を続けていれば、リスニング中に「聴いたことがあるけど、単語の意味がなかなか思い出せない」ということも少なくなり、リスニングのスピードも向上するでしょう。
音読は、以下の手順で行ってください。
- リスニングをする
- スクリプトを確認する
- わからない箇所を確認する
- 内容を意識しながら音読する
なお、音読の詳しいやり方や効果、おすすめの教材などはこちらの記事に詳しく紹介されていますので、ぜひご覧ください。
多読
多読とは、文字通り英語の文章をたくさん読む学習法で、英会話の5つのステップのうち「意味理解」の向上におすすめです。
多読のやり方は、以下の通りです。
- 自分の英語レベルと同じか、少し簡単な英文教材を用意する
- 繰り返し読みをしないように、文章を読み進める
- わからない単語があれば、読了後に調べる
多読をする際は、わからない単語が出てきた場合もその場で辞書を引かないため、教材選びは特に重要になります。
自分の英語レベルよりも高いレベルの教材を使って多読をした場合、内容が全く理解できずに英文を読み進めることにもなりかねないため、自分の英語レベルと同じか、少し簡単な英文教材を選びましょう。
多読についてさらに詳しく知りたい方はぜひこちらの記事もあわせてお読みください。
この記事を参考に、正しい手順で多読を行いましょう。
多聴
最後に、多聴についてご説明します。
多読が「英語の文章をたくさん読む学習法」であるのに対し、多聴は「英語の音をたくさん聴く学習法」です。多聴をすると、総合的なリスニングの向上が期待できます。
しかし、ある程度の英単語の知識がなければ「音声知覚」の力が働かないため、英語初心者は今までに紹介した他の学習を率先して行ってください。
多聴は、以下のようなステップを踏んで行います。
- スクリプト付きの音声を用意する
- 内容を理解しながら聴く
- 内容を要約してみる
多聴に使用する教材には、スクリプト付きのものを選びましょう。また、多読と同様、教材は自分のレベルと同じか少し簡単なレベルのものを選んでください。
さらに、多聴と言っても「たくさんの英語の音を聴くだけでいい」というわけではありません。
多聴で英語の音源を聴いた後は、聞き取った内容を自分なりに要約し、正しく内容を理解しているか確認してください。
これは、スピーキングやライティングなどのアウトプットスキルの向上にもつながります。
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