近年、海外拠点の拡大や外国人社員の採用など、多くの企業がグローバル化を加速しています。それに伴い、人事評価を英語で行う必要性が高まってきました。
しかし「どんな評価項目を設定すればいいのか?」「評価面談やフィードバックで使える英語フレーズは?」と疑問を感じている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、人事評価に英語を取り入れるメリットから、具体的な評価項目、評価面談で使える英語フレーズやシート作成のポイント、そして評価制度を円滑に進めるための実践的アドバイスまでを網羅的に解説します。
記事を読めば、英語での人事評価に自信を持って取り組めるヒントを得られるはずです。ぜひ最後までご覧ください。
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英語での人事評価が注目される背景
改めて、なぜ英語での人事評価が現在注目されているのでしょうか?それには以下のような背景があります。
- 海外拠点や外国人社員の増加
- 国際競争力を高める評価基準の必要性
では詳しく見ていきましょう。
海外拠点や外国人社員の増加
海外進出やグローバル化が進む日本企業では、現地社員や外国人スタッフが年々増加しています。
日本語のみの評価制度では不十分になり、英語での評価面談や評価シートが求められるシーンが増えました。たとえば米国、欧州、アジア各国に設けた拠点では、それぞれ文化も言語も異なるため、公平性や透明性を確保するために「共通言語としての英語」を活用するケースが多いのです。
国際競争力を高める評価基準の必要性
英語を使った人事評価は、単に言語を切り替えるだけではありません。海外人事団体が提唱するグローバルスタンダードの評価基準では、コンピテンシー(職務遂行能力)やOKR(Objectives and Key Results:目標と主要な結果)といった目標管理手法が重視されます。
こうした手法を自社に取り入れることで、国際競争力を高めると同時に「世界基準の評価制度」を目指しやすくなります。
グローバルスタンダードの人事評価手法とは
コンピテンシー評価やMBO、OKRといった海外で一般的な方法を採用することで、組織全体の目標や能力開発を明確化できます。世界共通のフレームワークを活用し、人事評価を進化させましょう。
コンピテンシー評価やMBOなどの手法
- コンピテンシー評価: 「リーダーシップ」「問題解決力」「チームワーク能力」などを具体的な行動指標とともに定義し、どの程度発揮できたかを評価する手法。
- MBO(Management By Objectives): 企業全体と個人の目標を連動させ、目標達成度によって評価する方法。
- OKR(Objectives and Key Results): 企業・部門・個人の目標を整合させ、主要成果指標(Key Results)を定量的に追いかけるフレームワーク。
コンピテンシー評価、MBO、OKRはいずれも、従業員の行動や成果を測る評価手法です。コンピテンシー評価はリーダーシップや問題解決力などの能力を具体的な行動指標とともに定義し、どの程度発揮できたかを重視します。
MBOは企業と個人の目標を連動させ、達成度によって業績管理を行う方法です。
OKRはObjectivesとKey Resultsを設定し、挑戦的なゴールの進捗を定量的に可視化して全社レベルで共有します。三者三様の強みを理解し、組織の方針や目的に応じて導入することで、評価の透明性や社員のモチベーション向上につながり、組織全体のパフォーマンス強化が期待できます。とくにOKRは短期的な目標管理とフィードバックに適しており、柔軟に戦略を調整しやすいのも利点です。
多国籍チームに対応できる評価基準の作り方
文化が異なるメンバーを評価するには、評価プロセスが透明で、誰にでも分かりやすい指標が必要です。たとえば「チームワーク」を評価するとしても、具体的に「メンバー同士の情報共有の頻度」「意見の取りまとめ能力」「議論を建設的に導く姿勢」などに落とし込めば、国籍や背景に左右されにくい公平な基準を設定できます。
また、評価結果を社内の公用語(英語)で一括管理すれば、世界中の拠点からの閲覧・比較も容易になり、本社・海外拠点ともに情報が統合されやすくなるメリットがあります。
海外企業の事例と導入のポイント
たとえばアメリカのIT企業では、OKRを用いて社員一人ひとりの目標を四半期単位で設定し、定期的に1on1の面談を実施するスタイルが一般的です。
日本企業がこれを導入する際には、評価周期を短くすることや、個人ごとの目標設定を明文化することがカギとなります。
導入時はトップマネジメントの理解が必須であり、評価制度に関する説明やトレーニングをしっかり行いましょう。
英語で評価面談を円滑に行うためのフレーズとスクリプト
英語での評価面談は、「どのように質問・フィードバックを行えばよいのか?」と悩む方が多い部分です。以下では、評価面談の流れに沿って使いやすい英語フレーズを多数ご紹介します。
面談の導入で使えるフレーズ
- “Thank you for taking the time to meet today. Let’s review your performance and discuss any concerns.”
(お時間を取っていただきありがとうございます。あなたの業績を振り返り、懸念点を話し合いましょう。) - “I appreciate your contributions to the team so far. I’d like to start by hearing your perspective.”
(これまでのチームへの貢献に感謝しています。まずはあなた自身の考えをうかがいたいと思います。)
パフォーマンスを確認する際のフレーズ
- “Could you walk me through the key achievements you’ve made this quarter?”
(この四半期に達成した主な成果を教えてもらえますか?) - “What challenges did you face and how did you manage to overcome them?”
(どのような課題に直面し、どのように克服しましたか?) - “Let’s focus on the objectives we set last time. How do you feel you performed against those targets?”
(前回設定した目標に焦点を当ててみましょう。それらに対してどのようにパフォーマンスを発揮できたと思いますか?)
強み・弱みや行動特性を伝えるフレーズ
- “You excelled in collaborating with cross-functional teams.”
(他部門との連携において、あなたは非常に優れた働きをしました。) - “I’ve noticed consistent improvement in your leadership skills.”
(あなたのリーダーシップスキルが継続的に向上していると感じます。) - “One area that could be enhanced is your time management when dealing with multiple projects.”
(複数のプロジェクトを同時進行する際のタイムマネジメント能力をさらに強化できると感じます。)
フィードバックと改善策を提示するフレーズ
- “To address this issue, I suggest setting clearer milestones and regular check-ins.”
(この課題に対応するため、より明確なマイルストーン設定と定期的な確認を提案します。) - “Would you agree with implementing a weekly status report? This might help track progress effectively.”
(週次レポートの導入に同意していただけますか?進捗を効果的に追跡するのに役立つと思います。) - “I’m confident that, with a bit more structure, you can reach your full potential.”
(もう少しだけ仕組みを整えれば、あなたは最大限の実力を発揮できると確信しています。)
今後の目標設定やキャリア志向を話し合うフレーズ
- “Let’s set some actionable goals for the next quarter that align with your career aspirations.”
(あなたのキャリア目標に合致した実行可能なゴールを、次の四半期に設定しましょう。) - “Where do you see yourself growing within the company in the next few years?”
(今後数年で、会社の中でどのように成長していきたいと考えていますか?) - “How can we support your professional development in terms of training or resources?”
(研修やリソースの面で、私たちはどのようにあなたの成長をサポートできますか?)
面談を締めくくるフレーズ
- “Thank you for the productive discussion. Let’s schedule a follow-up to check on your progress.”
(有意義なディスカッションに感謝します。進捗を確認するため、後日フォローアップを行いましょう。) - “I look forward to seeing your continued growth. Please feel free to reach out if you have any concerns.”
(あなたのさらなる成長を楽しみにしています。もし気になる点があればいつでも声をかけてください。)
英語の人事評価シート・フォーム・ドキュメント作成のポイント
評価項目を英語化すると、海外スタッフとの情報共有が容易になります。ただし専門用語や表記の統一が重要であり、シンプルかつわかりやすい形式を心がけることが鍵です。
基本テンプレートと作成手順
人事評価シートを作成する場合は以下の項目を必ず入れるようにしましょう。
- 概要欄(Overview): 評価の目的や期間を記載。
- 評価項目(Evaluation Criteria): 職能要件や行動指標(Competency Levels、Objectivesなど)を英語で明記。
- スコアリング基準(Scoring Rubrics): 1~5などの数値評価、もしくはEXCELLENT/GOOD/FAIRのような定性評価を設定。
- コメント欄(Comments/Feedback): 評価者と被評価者が自由に意見を記載できるスペース。
- 今後の目標設定欄(Action Plans/Next Steps): 今後の改善点や具体的な行動計画をまとめる。
英語の専門用語・表現の統一化
以下のような英語表現は部署や役職によって微妙に解釈が異なる可能性があるため、社内で「用語集」を作り共有しておくのがおすすめです。
- “Core Competencies”(コアとなる能力)
- “Performance Objectives”(業績目標)
- “Development Areas”(成長領域)
- “Behavioral Indicators”(行動指標)
日本語と英語のハイブリッド運用
全社員が英語を自在に使いこなせるとは限りません。そこで、評価項目や評価フローを英語でまとめつつ、注釈として日本語の解説を付記するなど、ハイブリッド運用を検討しましょう。
社員が慣れてきた段階で、徐々に英語の割合を増やす形に移行すれば、現場の混乱を最小限に抑えることができます。
多国籍チームにも通用する評価制度の運用と改善
多国籍なチームになると、良くも悪くも「色々な解釈」が生まれるため、ときには公平に評価しそれを相手に正しく伝えるのが難しくなります。
混乱や誤解を避けるためにも、これから解説していくことを意識してみてください。
公平性を担保する評価プロセス
異なる文化圏の価値観を尊重し、公平性を保つには評価プロセスの透明性が欠かせません。以下のポイントをおさえると、より公平性を担保した評価プロセスを築くことができます。
- 複数評価者による査定: 一人の評価者だけで決まるのではなく、複数のマネージャーやリーダーが意見を持ち寄ることで客観性を高める。
- 評価会議を英語で実施: 評価プロセス自体も英語で進めると、情報共有のスピードと正確性が上がる。
- 明文化された評価スケジュール: いつ・どのように評価が行われるかを社内ポリシーとして明示しておく。
フィードバックの多言語対応
同じ英語を話す社員でも、出身国や文化が違うとニュアンスの受け取り方が変わる場合があります。
具体例としては「口調がフラットすぎる」「曖昧な表現がポジティブにもネガティブにも解釈される」などが挙げられます。評価の重要なポイントは、常に相手の理解度を確認しつつ、誤解を招かないようにフォローすることです。
評価結果の共有とフォローアップ
人事評価は、評価が終わってからが本番ともいえます。
評価結果をデータベースで一元管理し、被評価者がどのようなフィードバックを受けたのか明確に把握できる仕組みを整えるのが理想です。
次のアクションプランを合意形成し、1カ月後や3カ月後にフォローアップ面談を設定することで、評価制度が形骸化するのを防げます。
海外拠点や子会社との評価制度統合
海外に拠点がある場合や、子会社がある場合評価の仕方が違うこともあるはずです。そうすると評価制度を統合する必要性が出てくることも。
ここでは
- 統合プロセスの課題と対処法
- 英語による社内プレゼン・提案資料の作り方
を解説していきます。
統合プロセスの課題と対処法
海外拠点と本社で評価制度を統合する際は、各地に根付いたローカルルールとの衝突が大きな課題となります。事前に評価文化や運用方法を綿密に調整し、共通のオンライン評価システムを導入することで、全社的に同一基準を適用できる環境づくりが可能です。
また、評価担当者向けのトレーニングやセミナーを通じて、統合版の評価基準やシートの使い方を丁寧に説明すれば、疑問点の解消や現場での混乱を最小限に抑えられます。
評価の精度向上やスムーズな運用を目指すうえでも、担当者全員が同じ認識を持つことが欠かせません。これにより、海外拠点と本社間の評価制度を円滑に統合し、組織全体の公正性や透明性、納得感の向上が期待できます。
英語による社内プレゼン・提案資料の作り方
- 結論を先に述べる: “Here’s our plan to unify the evaluation system across all subsidiaries.” のように冒頭で方針を明示。
- データと具体例を示す: “Based on our pilot project in Singapore, we saw a 20% increase in employee satisfaction.” のように成果を数字で示す。
- ビジュアル重視: グラフや図解を用いて評価基準やフローを視覚的に説明することで、国や文化を超えて理解が進む。
英語での昇給・昇進要件の設定と周知
従業員にとって、昇給・昇進の基準は非常に重要なものです。
昇給・昇進ルールを英語で明文化すれば、国内外を問わず公平に適用できます。社員一人ひとりが納得できるキャリアパスを提示することで、モチベーションアップにもつながります。
グローバルなキャリアパスの考え方
日本では年功序列や勤続年数が重視されがちですが、グローバルスタンダードでは「パフォーマンス」「コンピテンシー」「リーダーシップ」などが具体的な判断基準になります。
社員が納得しやすいように、どういった成果が昇給や昇進につながるのかを明確に示し、英語でも分かるように説明資料を作成することが重要です。
全社的な認知を高めるための周知方法
せっかく昇進・昇給の具体的な要件が設定されていても、従業員に認知されていないと士気が上がらなかったり、トラブルにつながることもあります。
なので、以下のようなやり方で周知を徹底するようにしましょう。
- 研修やワークショップの開催: 新評価制度や昇給ルールの説明を英語も含めて行い、質疑応答の場を設ける。
- イントラネットで情報共有: FAQや関連ドキュメントを英日両言語でまとめておくと、国をまたいだ閲覧が容易。
- 経営陣からのメッセージ発信: トップマネジメント自らが英語で評価改革の意義を語ることで、社内のモチベーションと理解が高まる。
シャドテンを活用してビジネス英語力を底上げする
英語での人事評価を成功させるためには、単にリーディングやライティングだけでなく、実際に「聞いて話せる英語力」が求められます。特に評価面談では、相手の話すスピードやアクセントに合わせて聞き取り、瞬時に返答する力が必要です。
シャドーイング学習は、音声を聞きながら即座に口に出して真似するため、リスニングとスピーキングを効率良く鍛えられます。継続して取り組むことでビジネスシーンに適応しやすい反応力が身につくのです。
ただし、シャドーイングは正しく行わないと効果を実感できません。そこでおすすめなのがシャドーイング特化アプリのシャドテンです。
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結果、効率的にリスニング力や発音力を向上させることができます。
まとめ:英語力がグローバル人事評価を左右する
- 評価制度の現状分析: 何を変える必要があるのか、英語化はどの範囲まで必要なのかを明確化。
- 評価基準・プロセスの整備: コンピテンシー評価やOKRなど、グローバル基準を取り入れながら英語運用を視野に。
- 英語学習の仕組みづくり: 評価者・被評価者双方が英語力を底上げするための環境を整える。
- パイロット運用と改善: 小規模部門や海外拠点での試験導入を行い、フィードバックを反映。
- 全社展開と定期的な見直し: 組織文化や人材構成の変化に合わせ、随時アップデートを行う。
評価面談やフィードバックで使う英語フレーズを習得し、英語評価シートを活用できるようになると、多国籍チームのパフォーマンスを最大限に引き出すことができるでしょう。
英語は単なるコミュニケーションツールではなく、グローバルビジネスで結果を生むための重要な手段です。人事評価制度を英語化すると、海外拠点の社員とのやり取りがスムーズになり、会社全体の業績改善にもつながる可能性が高まります。今こそ英語力を磨き、組織の強みを最大化する評価制度へアップデートしていきましょう。
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