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「音は聞こえるのに理解できない」からの脱却法:英語リスニング攻略術

「英語の音自体はしっかり聞き取れているのに、内容が頭に入ってこない……」。そんな経験をしたことはありませんか? たとえば海外ドラマを観ていて、「セリフの音はキャッチできるのに、意味がスッと理解できない」と感じたり、TOEICなどのリスニングパートで「単語は聞こえている気がするのに、内容がまとまらず問題が解けない」と思ったり。この状態は、英語学習における代表的な壁の一つです。

しかし、正しい学習ステップと具体的な練習方法さえつかめば、「音を聞きながらそのまま意味をイメージできる英語耳」は決して夢ではありません。

この記事では、“音は聞こえるのに理解できない”状態を抜け出すためのアプローチを、できる限り詳しく解説していきます。今日から取り組める実践的なトレーニングや、学習を助ける便利なサイト・アプリもあわせて紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

※シャドテンラボおよびシャドテンは、株式会社プログリットによって運営されています

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目次

音は聞こえるのに理解できない原因とは?

①単語や表現の知識が不十分

英語のリスニングで内容がわからなくなる最も基本的な理由の一つは、「知っている単語や表現の量が不十分」あるいは「文字で知っているだけで、音として結びついていない」という状態です。

テキスト学習が中心だと、「単語は理解できるし、つづりを見れば意味も知っている」ということが多いでしょう。しかし、それらの単語が実際の会話や音声でどう発音されるかを把握していないと、いざ耳に入ったときに結びつきが遅れます。単語やフレーズの“音声イメージ”を同時に養わない限り、聞こえた瞬間に意味を捉えるのは難しいわけです。

たとえば“comfortable”という単語は、「カムフォータブル?」 「カンファタボー?」 と発音がブレて聞こえる場面も多く、音が崩されることもしばしば。文字で覚えていても、実際の音声に対応しきれずに混乱してしまうことが原因となり、“音は拾えているのに内容がわからない”という現象が起きます。

②音変化(リンキングや弱形)への不慣れ

英語は、日本語よりも音が連結したり弱まったりする度合いが大きい言語です。たとえば“going to”が「ゴナ」や「ガナ」に聞こえたり、“What do you”が「ワダユ」「ワダヤ」のようにつながってしまうことがよくあります。いわゆるリンキングや弱形(短く・小さく発音される形)に慣れていない学習者は、「知っているはずの単語が突然知らない音に変化してしまった!」と感じて、理解が追いつかなくなりがちです。

さらに、前置詞や助動詞などが弱く発音されると、そこに含まれる大事な情報(時制や行為の方向など)を聞き逃すこともあります。結果として、まるで“音が歯抜け状態”で聞こえ、「何を言っているかは分かるけれど、文の意味が取れない」という状態に陥ってしまうのです。

③情報処理速度の遅れ

英語と日本語は語順が大きく異なります。英語では主語→動詞→目的語(SV(O))の順ですが、日本語は主語→目的語→動詞(S(O)V)になり、あとから動詞が来る構造です。頭の中で一度「日本語の語順」に置き換えようとすると、どうしても処理が遅れ、次のフレーズへ移る頃には混乱してしまいます。

また、「日本語に訳さないと理解できない」という思い込みから、逐語訳的に理解しようとしている場合、脳内での変換作業が膨大になり、音声のスピードに追いつけなくなります。結果、「音自体は聞き取れたはずなのに、意味を咀嚼している間にどんどん話が進む」という事態に。これが繰り返されると、リスニングの苦手意識が強まってしまいます。

「音」から「単語」への変換をスムーズにする基本ステップ

①語彙の定着と音声イメージの両立

まずは、英単語を“文字”だけで覚えるのではなく、“音”とセットで覚えることが大切です。具体的には以下のような方法がおすすめです。

  • 音声付きの英単語アプリや辞書を使う
    発音記号を眺めるだけでなく、実際にネイティブ音声を聴いてイメージを固める。
  • 単語帳を作る際に自分で発音を書き込む
    「コンフォータブル」ではなく「カンファラボー」のように、日本語表記でおおまかに音を写してみる。

こうして「視覚で知っている単語と耳で聞く音が同じ情報」という感覚を養うと、リスニングで音が流れた瞬間に意味が引き出しやすくなります。

②音変化のパターン習得

リンキングや弱形は、初級〜中級学習者がつまずきやすい要素です。これを克服するためには、特に以下のポイントを押さえておきましょう。

  • リンキング(連結)
    「子音 + 母音」の場合は音がつながることが多い。たとえば“pick up”は「ピック・アップ」ではなく「ピカップ」に近い音で発音される。
  • 弱形(短縮・省略されがちな音)
    “can” が「kən」「カン」くらい短くなる、 “of” が「əv」「アブ」に近くなるなど、日常会話で頻発する弱形を知っておく。

学習の手がかりとしては、YouTubeなどで「English linking sounds」「英語 弱形」と検索すれば具体例を多く見られます。また、YouGlishなどのサービスで単語やフレーズの音声例を検索し、リアルなリンキングを確認するのも効果的です。

③スピード慣れと負荷調整

初心者がいきなりニュース専門チャンネルの高速音声に挑むと、かなりの確率で挫折します。自分のレベルに合った音声速度から始め、慣れてきたら少しずつ負荷を上げていくステップアップが大切です。

  • 最初のうちは英語字幕を表示し耳と目で情報を補完する。
  • リスニング素材を2~3段階に分け、徐々にスピードを上げる
  • 余力があればTOEICやIELTSなどの教材に手を伸ばし、実践的なリスニングにも触れる

このように段階的に攻めることで、脳内で英語を処理するスピードが少しずつ上がり、“聞こえている音が意味に直結する感覚”を獲得しやすくなります。

今日から始められるリスニング向上の具体策

①「精聴」と「多聴」をバランスよく

リスニング力を高めるうえで、二つのスタイルを並行して行うのが効果的です。

  1. 精聴
    スクリプトや字幕を使って一語一句を確認しつつ、聞き取れなかった部分を繰り返しチェックする方法。シャドーイングやディクテーションなど、アウトプット重視の学習もここに含まれます。
  2. 多聴
    自分のレベルよりも少し易しめの素材を大量に聞く、いわゆる「かけ流し」に近い聴き方。内容をざっくり追いかけることで、細かい内容ではなく大まかな内容をとらえるようにするのが狙いです。

これらをどちらか一方だけに偏らせるのではなく、精聴で細部の聞き取り力を育てつつ、多聴で英語音声を大量にインプットして耳を慣らすのがベストです。

②「日本語で考えない」訓練を意識する

英語の語順に従ったまま頭の中で意味をとらえるクセをつけると、リスニングの処理スピードが飛躍的に上がります。これは習得にやや時間がかかる方法ですが、以下のステップを心がけるだけでも大きく違ってきます。

  • 短い英文を塊(チャンク)でイメージする
    例:I’d like to / go shopping / this afternoon.
    一度に単語を3〜4個ずつまとめて、イメージを浮かべながら聞き取る。
  • 日本語に一語一句訳さず、「この人は何を言おうとしているか」を察する
    たとえば“How are you?”を「どのように」「あなたは」「いますか?」と逐語訳するのではなく、「元気?」「ご機嫌いかが?」と瞬間的に意訳して捉える。

こうした頭の使い方に慣れると、情報処理のスピードが上がり、聞こえてきた英語をそのまま理解する土台ができます。

③学習時間と頻度の確保

リスニング力は筋トレのようなもので、継続して鍛えないとすぐに感覚が鈍ってしまいます。一度に長時間やるよりも、1日30分でもいいから、なるべく毎日耳を英語に慣らすことが何より大切です。

<例>

  • 朝の通勤中に英語のポッドキャストを聴く。
  • ランチ後のちょっとした休憩時間に、YouTubeの英語チャンネルを10分観る。
  • 寝る前に短いニュース動画を1本精聴する。

このような細切れ時間での習慣化は、忙しい方でも無理なくリスニング力を底上げできる方法です。

ステップ別の実践トレーニング方法

ここからは、具体的にどうやって学習を進めていくか、ステップごとに詳しく紹介します。

下準備:素材選びとスクリプト確保

  1. 難易度を適切に
    自分のレベルより高すぎると挫折するので、スクリプト内容を見れば9割はわかり、スピードはなんとか追える素材を選ぶのがポイント。
  2. スクリプト(台本)or 英語字幕の有無をチェック
    聞き取れなかった部分を後から確認できるよう、スクリプトが手に入る教材や動画を使う。
  3. 再生速度を調整できるプレーヤー・アプリを利用
    最初は0.75倍~0.9倍で聴き、慣れたら元のスピードに戻す方法も効果的。

ニュースサイト(BBCやVOA)やNetflixの英語字幕機能などを使うと、この下準備は比較的簡単に整えられます。

ステップ1:精聴とスクリプト確認

  • 通しで聴いて理解度を把握
    まず字幕なしor英語字幕だけで聴き、どのくらい理解できるかを大まかにチェックします。
  • 聞き取れなかった箇所をリストアップ
    どの部分が分からなかったかを意識しながら聴くと、復習時に効率的に補えます。
  • スクリプトや辞書で補足し、もう一度聴く
    分からなかった単語やフレーズを調べ、発音も確認。再度音声を聴いて、正しく聞き取れるか検証する。

ここで「なるほど、こういう風に発音していたのか!」という気づきが得られると、その後同じパターンの音変化に遭遇しても対応しやすくなります。

ステップ2:シャドーイングで音声知覚&処理速度を強化

  • まずは音声を流しながら音声と同時に発話する(オーバーラッピング)
    ここではスクリプトを見て大丈夫です。リズムやスピード、抑揚を掴むようにしましょう。
  • スクリプトを見ずに、お手本音声の1~2語ほど遅れて自分も同じように発話する(シャドーイング)
    この際、常に「どの単語を発話しているか」を意識することが重要です。
  • どこがつまずくのか明確にする
    実際に声に出すと、苦手なリンキングや弱形が露わになる。
  • 繰り返し練習し、苦手なものは部分的に練習する
    できるだけ通しで行うことが理想ですが、どうしてもうまく発話できない部分や聞こえない箇所は部分的に練習しましょう。その際スピードをゆっくりから始めて、徐々に上げていくことがおすすめです。
  • 録音・振り返りをする
    最後に練習した音声を録音し、お手本の音声と比べましょう。お手本の音声のように発話できていない場合は再度その部分のみ練習するとよりリスニングが向上しやすくなります。

シャドーイングは、リスニング力向上にとても有効な学習方法の一つで、リスニングだけでなく発音にも効果的です。自分で声に出すと英語のリズムやつながりを体感しやすく、聴くだけでは意識しなかった弱点を把握できるというメリットがあります。

ステップ3:ディクテーションで正確さを追求

  • 10〜20秒の短いセクションを選ぶ
    長すぎると集中力が切れるので、まずは短めの範囲を設定する。
  • 一度再生したら、一時停止しつつ聞こえた英文を紙やノートに書き出す
    単語の綴りだけでなく、聞こえたままを丁寧に記載する。
  • スクリプトと照合し、間違いを分析する
    どの単語が書き取れなかったか、あるいはどの部分が聞き間違いを起こしやすいかを確認する。そこが自分の音声認識の弱点になる。

ディクテーションは時間と手間がかかりますが、その分「自分がどこを誤解しているか」をピンポイントで見抜ける学習手法です。TOEICやIELTSのリスニングが苦手な人にもおすすめで、「なんとなく聞いている」と抜け落ちてしまいがちな細部の精度を高める効果があります。

ステップ4:多聴で慣れを加速させる

  • 興味のある分野の英語音声を大量に取り入れる
    例)映画や海外ドラマ、英語のポッドキャスト、YouTubeチャンネルなど。
  • リラックスして聴き流し、細部よりも全体の流れや話のトピックに注目
    完璧に理解しようとするとストレスが溜まるため、「大きな流れがわかったらOK」と割り切る。
  • 余裕があれば、気になったセリフやフレーズだけ精聴する
    多聴と精聴を組み合わせておくと、理解の幅が格段に広がる。

多聴は「英語をシャワーのように浴びる」イメージで実践すると、楽しく続けられます。リスニングが苦手な人でも、好きなドラマを見たり音楽番組を聴いたりすれば、娯楽と学習を両立できるはずです。

学習を後押してくれるおすすめサイト・アプリ

英語リスニング学習をサポートしてくれるオンラインリソースは数多く存在します。今回は以下の5つをピックアップしました。

  • BBC Learning English
    https://www.bbc.co.uk/learningenglish/
    イギリス英語の発音に慣れたい人に最適。動画や音声コンテンツ、スクリプトが充実しており、レベル別に学習しやすい。
  • VOA Learning English
    https://learningenglish.voanews.com/
    アメリカ英語をナチュラルスピードより少しゆっくりめに話してくれる形式。ニュースや時事問題を通じて語彙力・リスニング力を同時に伸ばしやすい。
  • TED Talks
    https://www.ted.com/
    様々な分野の専門家がプレゼンを行う動画サイト。興味のあるトピックを選べば学習のモチベーションも保ちやすい。字幕やスクリプト機能あり。
  • YouGlish
    https://youglish.com/
    単語やフレーズを検索すると、それを話す動画クリップを多数表示してくれる。リンキングや弱形の具体例を調べるのに役立つ。
  • ELSA Speak(アプリ)
    AIが発音を解析し、フィードバックを提示してくれる。短い時間で発音矯正を行えるので、シャドーイングの練習にも良い影響を与えると評判が高い。

まとめ:できることから行動して英語耳を育てよう

ここまで見てきたように、「音は聞こえるけど理解できない」状態を解消するには以下のポイントが鍵になります。

  1. 語彙と音のマッチングを強化
    文字だけでなく音声イメージも同時に身につける。
  2. リンキング・弱形など英語独特の音変化を把握
    実際の会話では連結や省略が頻繁に起きるので要注意。
  3. 日本語に置き換えすぎず、英語のまま内容を取る訓練
    単語の意味を一語一句訳すより、英文の流れをイメージする。
  4. 精聴(シャドーイング・ディクテーション)と多聴(かけ流し)を組み合わせる
    細部の精度と量的な慣れを両方獲得する。
  5. 毎日短時間でも耳を慣らす
    継続こそがリスニング上達の王道。

最初から完璧を目指そうとせず、まずは「知っている単語を耳で聞き取れるようにする」ことから始めてみてください。何度も繰り返し練習しているうちに、音と意味の変換が驚くほどスムーズになる瞬間が訪れます。

学習効率を上げるならシャドテンの活用もおすすめ!

最後に、「自分ひとりでシャドーイングやディクテーションをやってみたけれど、どうにも効果が出ているのか分からない」「正しく練習できているのか自信がない」という方におすすめなのが、シャドテンです。

シャドテンはシャドーイング特化型の学習サービスで、アプリ上で専門家からフィードバックをもらえます。具体的には、英語のつながった音や消失音など、学習者のシャドーイング音声を細かく分析し、改善のアドバイスを受けられる仕組みが整っています。これにより「弱形やリンキングに自力で対応できない」「どうしても発音がカタカナっぽくなってしまう」といった課題を効率よく解消可能です。

シャドーイングは正しく行うことでリスニング力が向上するので、ぜひこの機会に「正しいシャドーイング」のやり方を身につけて、「音しか聞こえない」という状態から脱出しましょう!

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Daisuke|監修者
プログリットのカリキュラム開発部:PGUマネージャー
英語コンサルタントを経験後、英語学習に関するデータ分析や自然言語処理・音声処理技術を用いた専用カリキュラムの設計・アルゴリズム開発に従事。現在は、「最高の英語学習を追求し、サービスをアップデートする」チーム(PGU)で、応用言語学や第二言語習得論などの学術的観点と最新AI技術などテクノロジーの両面からサービス開発・改善に携わっている。
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この記事を書いた人

シャドテンラボ編集部です。
英語を聞き取れるようになりたい全ての人に、最適な英語学習法をお伝えするために日々記事を更新しています。

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