- 英語を聞いても、速すぎてなんて言っているかわからない
- 単語を追うだけで、内容が頭に入ってこない…
そんな経験はありませんか?
リスニング学習で挫折しがちな理由の一つは、音声の“速さ”に翻弄されること。もしかしたら、それは“WPM(words per minute)”が自分のキャパシティを大きく上回っているからかもしれません。
WPMとは、1分間に話される単語数の目安です。人によっては150WPM(1分で150語)の音声でも苦手と感じるかもしれませんし、逆に200WPM(1分で200語)をスラスラ理解できる人もいます。本記事では、このWPMの基準を活用して効率よく英語リスニング力を伸ばす方法を、具体的なステップとともにご紹介します。
「自分のリスニングがどのレベルか知りたい」「速い音声についていきたい」「目標を設定して学習を進めたい」という方は、ぜひ最後まで読んでみてください。WPMへの理解が深まると、リスニング速度アップへの道がぐっと開けるはずです。
※シャドテンラボおよびシャドテンは、株式会社プログリットによって運営されています
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もしこれからシャドーイングの開始を検討するのであれば、自分でシャドーイングのトレーニングをするよりも、教材選びからトレーニング法、発音添削までついているシャドーイング添削サービスを検討するのが良いでしょう。
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WPM(Words Per Minute)とは?
まずはWPMの基本的な意味をおさらいしておきましょう。WPM(words per minute)とは、その名のとおり「1分間に発せられる単語数」を示す指標です。英語のスピーチや会話の速さを数値化することで、自分にとって「どの程度のスピードであれば理解できるのか」を把握しやすくなります。
たとえば、英語学習の現場では以下のような例が挙げられることが多いです。
- ネイティブの日常会話:およそ120〜180WPM
- ニュースキャスターや講演:およそ150〜200WPM
- テッド・トーク(TED Talk)の平均:およそ170〜190WPM
もちろん、話者の癖や内容の難易度にも左右されます。ただ、WPMを測ることで大まかな“リスニング速度の目安”を設定しやすくなるのは事実です。
なお、1分あたりに何語聞き取れるかを知ることは、自分の弱点を客観視する手助けになります。もし150WPMがほぼ理解できるなら、次は160〜170WPMに挑戦してみる、といったステップアップが可能になるわけです。
WPMを意識すると何が変わるのか
①学習目標の設定がしやすくなる
英語リスニング力を伸ばすには、具体的な数値目標を置くのが効果的です。
ただし、「ネイティブのスピーチを聞き取る!」だけでは漠然としすぎています。WPMを基準にすると、「まずは150WPM程度まで理解度80%を目指そう」といった具合に、ゴールを明確化しやすくなるのです。
②自分の理解可能レベルがわかる
英語音声を聞いて「早口に感じる」と思う時、その“早口”がどの程度なのか数値化できないと、学習プランが組みにくいですよね。
WPMを測定してみると、自分がどのあたりの速度なら快適に理解できるのかが分かり、そこから次のレベルに向けた強化策が見えてきます。
③無理しすぎないペース配分ができる
リスニング学習において、いきなりハイレベルな教材(180WPM以上)に挑戦すると、挫折やモチベーション低下の原因になります。
自分の現状が150WPMなら、まずは160WPMを目指すなど、段階的に少しずつレベルを上げていくのが成功への近道です。
WPMを測定する簡単な方法
「じゃあ、具体的にどうやって測ればいいの?」と思われる方も多いでしょう。WPM測定は以下のステップで比較的簡単に行えます。
- 30秒間の音声を用意
可能ならスクリプト(文字原稿)がある音声が望ましいです。TED Talkやオーディオ教材などを使うとやりやすいでしょう。 - 30秒分の音声を再生して、実際に聞き取った単語数を数える
一旦は自力でできるだけ書き出し、後からスクリプトと照合して漏れやミスを修正するのがポイントです。書き出すとどうしても時間がかかってしまうため、聞こえてきた音をシャドーイングし、それを録音し、聞き取れた単語数を数えるのもおすすめです。 - 聞き取った単語数を2倍する
30秒の音声で聞き取った単語数を2倍することで、1分間あたりの単語数(=WPM)が大まかに分かります。
例:30秒で70語聞き取れた→1分換算で140WPM
もちろん、時間を1分まるまる測って単語数を数えてもOKですが、慣れないうちは30秒間のほうがやりやすいでしょう。重要なのは、「どこまで正確に書き取れるか」も含めて自分のリスニング力を把握することです。
音声素材のWPMを知りたい場合は?
もし今使用していたり、これから使用したいと思っている音声素材(教材)のWPMがわからない場合は、このサイトを使うと便利です。
流した音声を聞き取り、文字起こしをすることでWPMを測定することができます。
WPM別リスニング教材選びの目安
ここでは、大まかなWPM別の教材や音声素材の目安をご紹介します。自分が現時点で聴き取れるWPMと、練習したいWPMを意識しながら選ぶと失敗しにくいです。
120〜140WPM:ややゆっくりめの日常会話や英語学習アプリ
- 初級者向けポッドキャスト
- VOA(Voice of America)のLearning Englishシリーズなど
ちょっとゆっくり話してくれる教材が多いので、安心して取り組めます。
150〜160WPM:標準〜やや速めの日常会話レベル
- TED Talkの中でも比較的落ち着いた話者
- 英語ニュース(スロー再生版)
- TOEICの音源など
普段の会話や駅のアナウンスなどに近いスピードなので、英語学習の中級レベルにちょうど良いでしょう。
170〜180WPM:ニュースキャスターやTEDの標準的スピード
- TED Talkでテンポよく話すスピーカー
- 海外ドラマの中でも会話が速めのシーン
ここまで理解できるようになると、日常生活やビジネスシーンでかなりのアドバンテージです。
190WPM以上:かなり速いスピーチやディベート
- ハイテンションのトークショー、討論番組、ラジオDJ
- CNNニュースのライブ放送など
上級者でも聞き取りに苦労するレベル。挑戦する場合、まずは180WPMあたりがスムーズに理解できるかをチェックしましょう。
リスニングのWPMを上げるには?
①短い音声を徹底的に聞き込む
WPMを上げるには、細切れの音声を反復トレーニングするのがおすすめです。1分程度の音声をシャドーイング(=お手本の音声を1~2語遅れながらお手本の音を忠実に再現する学習法)することで、音声を処理するスピードが向上します。
具体的になぜ効果があるかはこちらの記事で解説しているので、ぜひあわせてお読みください。

②段階的に速度を上げる
最初から速い音声に挑むと挫折しやすいので、自分の理解可能なWPM+10を目安にレベルアップしてみましょう。たとえば、今150WPMが限界なら、まずは160WPMを目指すといった具合です。
③目標を「理解度」で定義する
「180WPMを聞き取れるようになりたい」という目標も良いですが、「理解度80%」や「キーワードを抜き出せる」など、客観的に評価できる基準をセットするのが望ましいです。
速度だけに囚われず、中身をどれだけキャッチできているかを大事にしてください。
リスニング速度をアップさせるコツ2選
①語彙力と文法力を底上げする
いくら耳が慣れていても、知らない単語や表現が多いと理解は難しいです。
WPMを上げたいときこそ、必要なボキャブラリーや文法のインプットは怠らないようにしましょう。例えば、ビジネス分野で速いプレゼンを聞き取りたいなら、その業界特有の単語をあらかじめ学習しておくと効果的です。
②英語の音の連結や弱形に慣れる
英語特有のリエゾン(音のつながり)や弱形(短縮・弱めに発音される形)に慣れることで、速い音声もよりスムーズに捉えられるようになります。たとえば、
- “What are you doing?” → “Whaddaya doin’?”
- “Got to” → “Gotta”
これらを意識して聞く・発声するだけでも、聴き取り能力が飛躍的に向上します。

まとめ:WPMを武器にリスニングを効率化しよう
WPM(words per minute)の概念を取り入れると、リスニング学習の進捗が客観的に把握できるようになります。具体的な数値をもとに「今は150WPMまでなら7〜8割分かる」「次の目標は160WPMだ」とステップアップしていくことで、ただ漫然と英語を聴くよりも効率的にスキルを伸ばせるはずです。
もちろん、WPMがすべてではありません。語彙力や発音、文脈への理解力など、さまざまな要素が絡み合って「リスニング力」は構成されています。それでも、「速度」という指標があるだけで、学習計画は立てやすく、モチベーションもキープしやすくなるでしょう。
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